味付かんぴょう職人の㊙話
かんぴょうについて
2018.09.02
味付かんぴょうが出来るまで・・・
こんにちは。。専務取締役工場長の伊東です。
昨日から9月が始まり、いよいよ秋の味覚が近づいてまいりました。
田んぼの稲も徐々に穂が垂れてきており、稲刈りも間近といったところです。
かんぴょう原料の元となる夕顔も収穫が終わりを迎え、今後は選別等を施した原料を買い付けることとなります。
現在、為替も円安傾向にあるため価格がどの方向へ動くか非常に心配のところがあります。
今後の為替の動向が気になるところです。
そこで、今日は味付かんぴょうができるまで・・・と題して簡単ではありますが夕顔から味付けまでをご紹介させていただきます。
こちらが収穫されたばかりのかんぴょうの元となる「夕顔」です。かんぴょうの元ってこれ??びっくりされる方もいらっしゃるかと思いますが、まさに夕顔がかんぴょうの原料となります。
続いては、夕顔の表面にある皮(緑の部分)を剥きます。りんごの皮むき機に似てますよね。
皮むきが終わったら、いざ実を約4cmの幅で削ります。夕顔の中心部分には「わた」と言って非常に水分が多く含んでいる部分があり、そこまでは削ることができません。繊維質が非常に軟く種も多く含んでいるためです。ですから夕顔一玉からできるかんぴょうというのは極わずかとなります。大変貴重な食材ですよね。
削った夕顔の実を天日干しにて乾燥です。機械で乾燥するんじゃないの?と思われるかと思いますが、生産者の方々曰く「太陽の光が大変重要な役割を果たす」そうです。
天日干しにより乾燥した夕顔の実がこちらです。削った直後の実と違い水分も飛んで大変細く仕上がります。夕顔の実は大半が水分だということがお分かりになるかと思います。この時点で初めて「かんぴょう」となるわけです。
かんぴょうとなり弊社に送られてきた原料を湯戻しという工程を行うわけですが、味付け前に異物がないか・幅、太さを選別し弊社オリジナルの釜で炊くことができる物だけを選別していきます。非常に貴重な食材ですが、「無駄が絶品を生む」ということもあり釜で炊くことができない状態な物はこの時点で廃棄となります。
ようやく選別が完了した物だけが弊社の秘伝のタレで炊くことができるということです。
寿司ネタの中ではわき役的な存在のかんぴょうですが、非常に手間がかかる食材です。
寿司職人は、「かんぴょうを上手に炊けて一人前」と言われるのもご納得されるのではないでしょうか。
自然の恵みに感謝・感謝の毎日です。
2017.06.25
夕顔の受粉作業
こんにちは。専務取締役工場長の伊東です。



2017.04.29
外食先のかんぴょう巻き
こんにちは。専務取締役工場長の伊東です。
早いもので今月も残すところ二日となりました。今日からゴールデンウィークという企業様も多いのではないでしょうか?
当社の連休は暦通りです。4月29日、30日。5月3日、4日、5日、7日となっております。
当HP内「お知らせ」にもUPしておきますのでご確認よろしくお願い致します。
さて、連休中は皆さまも外食をされる機会が多いかと思います。先日、私は某回転寿司チェーン様へ家族と行って参りました。
普段は、当社の製品ばかりを食べているので他社の製品を食べるチャンスとばかりに「かんぴょう巻き」を注文!
見た目から当社の味付かんぴょうと違います。色がまばらと言いますか、炊いた味付かんぴょうではないと思われます。
食べてみると口いっぱいに広がる甘さ。ただただ甘い。うま味が全く感じられない・・・
人工甘味料を使用している商品だとすぐにわかります。
砂糖と人工甘味料ではこれだけ違うのかと改めて勉強になりました。
味付かんぴょうというものは非常に単純な食材だと思われる方々も多いかと思いますが、その通りで非常に単純な食材です。
単純だからこそごまかしが効かない食材なのかと常々感じております。
世の中のかんぴょう巻きがもっともっと美味しくあって欲しいと願う今日この頃です。
他社の味付かんぴょうはなぜ人工甘味料を使うのか? この場では説明できないくらい深い理由が存在します。
その理由は追々・・・
ではゴールデンウィークは楽しんで参りましょう!!
2016.12.11
かんぴょう乾燥
こんにちは。専務取締役工場長の伊東です。
先日に続きまして、かんぴょうを剥いた後の乾燥についてご説明させていただきます。
乾燥はもちろん機械で行うわけではありません。
国産原料ではビニールハウスの中で天日干しにて乾燥を行います。
中国産原料では外で直接天日干しにて乾燥を行います。
国産の場合ですと天候が悪くてもビニールハウス内で暖房を炊き乾燥を行うことができますが、中国産の場合ですと天候が悪い日は外に干すことができないため夕顔を剥かず翌日に繰り越します。
夕顔は畑から収穫した時点から劣化が始まるわけでありますので収穫してからできるだけ早く「剥く→干す」という工程ができれば繊維質もよく高品質の原料が出来上がるということになります。
反対に夕顔を畑から収穫してきてから何日も天候が悪い日が続いてしまうと、いつまでも剥くことができないため夕顔自体の劣化が進み繊維質が柔い状態となり品質が悪い原料が出来上がってしまいます。ですので、「剥く→干す」といった工程を行う時期の天候が非常に重要となるわけです。
度々ではございますが、これこそ神のみぞ知る・・・です。
添付した写真は国産での乾燥工程です。見ておわかりの通り乾燥前はかんぴょうとは思えないくらい非常に太い状態です。が、ここから水分が飛びどんどん細くなっていきます。
どれくらい細くなるかは、夕顔の水分量や繊維質、夕顔のどの部分か(外側なのか内側なのか)によって1本1本違ってきます。
全てが均等など絶対にあり得ません。これもまた神のみぞ知る・・・です。
これもまた自然界に生かされているのだと感じながら日々製造をさせていただいております。
2016.12.08
かんぴょう剥き
こんにちは。専務取締役工場長の伊東です。
今年もあっという間に時が進み残すところあと約4週間となりました。
思いおこせば今年の夏に弊社HPリニューアルに先駆けかんぴょう生産工程を撮影に栃木県へ足を運びました。
私一人で行ったのではもったいないと思い、普段工場内でかんぴょう選別をおこなっている面々を連れて貴重な体験をして参りました。
写真を見ていただいておわかりになるかと思いますが、夕顔を剥いた直後のかんぴょうは全て約4cmとなっております。
その後、天日乾燥となるわけですがかんぴょうに含まれている水分や繊維質によって太さが変わってしまいます。
ですのでかんぴょうの幅や太さの出来具合は神のみぞ知ると言ったところです。これぞ自然の恵みだと感じております。
乾燥に関しての写真はまた後日UPさせていただきます。
みなさま体調管理には十分気を付けて年末を過ごしください。
2016.12.02
国産かんぴょうと中国産かんぴょうの違い
こんにちは。専務取締役工場長の伊東です。
弊社では主に中国産原料を使用し味付かんぴょうを製造しておりますが、もちろん一部国産原料を使用した味付かんぴょうも製造しております。
そこで本日は、国産原料と中国産原料の違いを簡単にではございますがご説明させていただきたいと思います。
まずは、夕顔を収穫する際の大きさと夕顔を剥く際の刃の「厚さ」についてです。
国産原料を生産する際、夕顔を約7~8kgの段階で畑から収穫してきます。
これは実の硬さが一番良い状態だと言われおります。
中国産原料を生産する際は、夕顔を国産の約倍の13~14kgの段階で収穫します。ですので国産に比べ実の固さとしましては若干軟らかめになります。
国産の場合は100円玉が1枚がちょうど入る厚さに設定されております。
中国産原料の場合の写真はございませんが、実が軟らかい分100円玉が4枚程入る厚さに設定されております。
夕顔を剥く際の刃の厚さ

夕顔を剥く際の刃の幅

続いては夕顔を剥く際の「幅」ですが、国産・中国産どちらも同様で約4cmに設定されております。
結果、国産原料は実が薄くても丈夫で歯ごたえのある味付かんぴょうに仕上げることができます。
中国産原料は実が厚いため、歯ごたえは勿論のこと加工次第ではモチモチした美味しい味付かんぴょうに仕上げることができます。
最後になりますが、国産・中国産にいたしましても生産したその年の天候などで太かったり細かったりと様々です。
機械で製造する工業製品とは違い、自然の恵み無くしては出来ない農産物でありますので私達人間の期待通りにいくとき時もあれば反対に裏切られることも多々ございます。
これも私達人間は自然界に生かされているのだと日々感じながら製造しております。
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